「あしたはそのまま青い空」 第八話
(A5/コピー/36P/300円)
シリーズ第八話。
二学期も終わりの頃の話。
期末試験も終わり、あとは冬休みを待つだけの放課後。
文化会本部に演劇部部長のカザリと、副部長・沢木がやってきて、落研に頼んだことは。
*第八話 作中より抜粋
今日、ソラの前には珍しい人物が座っていた。
演劇部部長の江川カザリと副部長がいた。
カザリは、校内で「カザリ様」とその容姿を褒め称えられている有名人だ。
ソラも初めて会った時は、うっかり見とれてしまった。
そのカザリの隣に座っているのが副部長の沢木。
沢木とは以前、この文化棟の地下室で顔を合わせたことがあった。
眼鏡をかけた、明るくきさくな雰囲気の先輩だった。
その二人が、ソラの前に座っている。
主に喋っているのは沢木だった。カザリは、その神秘的にもみえる眼差しをソラに向けているだけ。
その視線にどぎまぎしつつ、二年生の先輩と話すことにもどきどきして、ソラの中はもういっぱいいっぱいだった。
ただそれだけでも「ひぃぃぃ~~!」と声をあげそうだったのに、演劇部の話はソラをさらにいっぱいいっぱいにさせて、まるまるとふくらんだ体が空に飛んでいきそうな感じで。