プチオンリーの準備のメッセのやりとり最中に、あんずさんと「ネオロマ女子萌え」話になりまして……。
は「どうも、遙か4をプレイしようって気にならないのは、黒神子がいないからだと思うんですよ」
あ「さみしいですよねえ」
は「ネオアンのアニメもどうせなら女子キャラを増やしてくれればよかったのに…」
あ「メイドですか、メイド」
参考:前回のメイド話
http://hrk.whitesnow.jp/diarypro/archives/22.html
は「そうっすよー。コルダ2のアンケート葉書に「天羽さんエンドがなくて大変残念です」って書いたんですけど、やっぱネオアンのアンケートにも書かなきゃだめですかね。『ニクス、メイド、やとえ』って」
あ「なんだかそれ暗号みたい。ニクス、メイド、やとえw」
は「いまとなっては懐かしい『めし、どこか、たのむ』みたいな」
あ「あはははは~~」
その後「ニクス、メイド、やとえ」が二人のツボにはいったのか、
は「いっそ、本出しますか。『ニクス、メイド、やとえ』!」
あ「すごい、いいかも!」
は「こんな話で~~」
(即興で4行ほど書いた)
は「あれ!? ニクアンになってしまった!」
あ「……ニクス手ごわい」
というわけで、ニク×アン小ネタSSです。
陽だまり邸の館の主は、庭仕事に忙しそうだった。
「あのーニクスさん?」
その声に主は立ち上がった。振り返るとアンジェリークがそこにいた。
「なにか…ああ、お茶の時間ですね? これはいけない」
「あ、いえ。お仕事はつづけてください」
首を横に振るアンジェリークだったが、何かいいたげなその様子にニクスは水を向ける。
「なにか? アンジェリーク」
「……その……あの、みなさん、最近お忙しすぎじゃないですか?」
みなさん、というのはこの陽だまり邸に住むオーブハンターたちのことだ。
そうですねえ……とニクスは呟いた。
オーブハンターとして、この大陸で名を馳せるにつれ、タナトス退治の仕事が増えていく。
ニクスは地に生えている芽を見た。自分自身もこうやって庭を手入れするのは久しぶりだということに気がついた。
「お仕事が増えて……さらに家事まで……先ほどジェイドさんが1階が終わったから、次は2階だと張り切ってお掃除してましたけど……」
アンジェリークが呟く。
「今、レインとヒュウガさんは村までお買い物にいってます。私もお洗濯は終わったんですけど、ほんとはみなさんの寝具も洗いたくって」
「それはいけません、アンジェ」
「え?」
「大きなものの洗濯は、私たちにまかせて下さい。女王の卵に怪我などされては大変です」
ニクスは、庭仕事用にあつらえた革のグローブを手から取り外した。
「あ、いえ、ですから!」
アンジェリークは言った。
「お仕事と家事の両立は大変だと思うんです! だからですね、メイドさんを雇ってはどうですか?」
「メイド?」
アンジェリークの提案に、ニクスは目を丸くした。
「これだけ広いお屋敷なんです。メイドさんのひとりやふたりいたっておかしくない……むしろ、これまでいなかったほうが私には不思議です」
「私は、屋敷を空けることも多かったですから、特に必要は感じなかったのですが」
「メイドさんのお給料は、私も依頼でいただいた報酬から出しますから……」
「アンジェ、そのような気遣いは……」
その時、ニクスはアンジェリークがいつも髪に結っているリボンの片方がほどけかかっていることに気がついた。
ニクスの視線には気がつかず、アンジェリークは話を続ける。
「……それに、メイドさんがいたら、私もちょっと楽しいかなって……一緒にお料理したりとか……きゃっ!?」
アンジェは驚いて、小さな声をあげた。
ニクスがすっと一歩進み、アンジェリークの左側の髪の毛に触れたからだ。
「え? え? なんですか?」
「リボンが解けかかっていますよ」
背の高いニクスが少し屈むようにアンジェリークに身を寄せた。両手で左のリボンを結っているようだった。
声が近い。
体も近い。
アンジェリークは、どぎまぎしながらも、なんとか答える。
「ご、ごめんなさい……みっともなくて」
「いいえ」
だから、声が近い。
「庭の手入れに目がいって、あなたのお世話を忘れていた私が悪いのです」
「は? いや、あのそんなつもりじゃなくて……」
「これからは気をつけて、あなたに目を配りましょう。私があなたのお世話をするのは不満ですか? アンジェリーク」
リボンはもう結ばれた。だがニクスは離れなかった。
「いえ……全然不満じゃない……です……。ってー! ニクスさんたらーー!」
アンジェリークが一歩後ずさった。
これは彼女の負けだった。
「私、やっぱりお洗濯の続き、してきますっ!」
「あ、じゃあ、私もお手伝いしますよ」
「いいですー!」
アンジェリークは駆け出していった。
やれやれ、あれではまたリボンが解けてしまうじゃないか。
ニクスは庭仕事の道具を片付け出した。
~おわり~