なにがしょうがねえって、ルートがねえーからだーー!!
って、まだ全然終わってないから、脳内設定もいいところ。
いろいろ間違ってたらごめん。
ニアかな妄想的メモ。
「ねえ、ニアは女子寮に一人で寂しくない?」
かなでが星奏学院に転校してきて、そして入寮して数日後の夜のことだった。
寮の古さにも驚いたけども、女子寮にはニアひとりしか住んでいないことにも驚かされた。
ホールやキッチンなどの共用部分は男子も出入りするので、まったく一人ということではないが、住居部分はこれまでひとりきりだったのだ。
昨夜。
海風が強かったのか、それは古い窓の桟を揺らし、その音でかなでは真夜中に目を覚ました。
たいしたことではないが、かなでは隣の部屋で寝ている隣人のことを思った。
こういう夜にひとりで寂しくはないのだろうか。
「なんだ。小日向はさみしいのか?」
しかし、目の前の新しい友人は、意外そうに少しだけ目を見開いて言う。
「えっ、別にさみしくはないけど。でもニアはこれまでひとりだったから、さすがにそれはどうだったのかなって」
「ああ、気楽だった。群れるのは嫌いでね。学校でも顔を会わせるのに、さらに寮までなんて息がつまる」
「そう、なの……」
「女子寮には幽霊が出るって話しっているか?」
「えっ!?」
初耳。律はそんなことは言ってなかった。
「ほ、ほんとなの。ニアは見たことあるの?」
焦って、かなでが聞くと、ニアは吹き出した。
「まさか。だって、私が作った話だからな」
「え……」
「おかげで、女子寮は入寮希望者がいなくなってな。伸び伸びとすごさせてもらってる」
「はあ……」
ニアの自由奔放さは数日付き合っただけで、嫌というほど判っていた。学校でみる姿もいつも一人で、かと言って、人に嫌われているわけではなく、ただ自由に一人で、いつもニアはそうしていた。
「……ごめん」
かなでは謝った。
「なんだ。なぜ謝る」
「だって、一人で楽しんでいたのに、私が入寮しちゃったから。窮屈でしょ?」
「ああ」
ニアはまた、その涼しく釣り上がった目を見開いた。
「そういえば気にならないな」
「えっ」
「特別なんだな、きっと」
意味が聞きたかったけど、目の前でそんなふうに言われたら、ちょっと聞き返せない。
特別って、私が特別ってことなのかな……。
ちらりと見ると、ニアは軽くあくびをしていた。
もう夜のおしゃべりはおしまいの時間。
また、いつか聞く機会があったら聞けばいいかな?
かなでは、ちょっと小首を傾げる。
女子寮にはただ二人。
またきっと聞ける機会がくるよね。
~おわり~